junkoの日記

アーティスト(写真・映像) www.junkotakahashi.com https://www.facebook.com/junko.takahashi.376/ https://www.instagram.com/juwakot/

いざ、東博へ。

こちらも気になっていた展覧会、東京国立博物館で開催中の「仏像」展(12/3まで)をようやく見に行けた。
なんといっても東博は、日本美術の最高峰や内外の名品を見せてくれるので、毎度企画が非常に楽しみなミュージアムである。前回の「若沖」展ももちろんワクワクしながら見たし。小学生の頃から度々親に連れられて足を運ぶに始まって、もしかして一番見に来ているミュージアムかもしれない。
マニアほどでは無いが昔から仏像を見るのが好きな私にとって、お待ちかねの企画である。行く前から写真など見て「これは見応えが有りそうな逸品ばかりだなー。」と大いに期待していたから、その実物を拝めるのを楽しみしていた。時代を超越したものを見るとトリップ出来るので、こういう企画は大好きである。
展覧会自体については今更何をか言わんやと思う程の名品揃いの内容。国宝、重文のオンパレードである。目玉の向源寺の「十一面観音立像」も素晴らしいが、この観音像と入れ違いに期間前半に展示していた「菩薩半跏像」も見たかったー。十一面観音は流麗な姿(しかし頭の後ろに怪しい笑みの顔がくっついている。。)だが、菩薩像の方は写真だけ見ても何やら艶っぽい豊か〜な雰囲気が漂ってくる像なので、是非ともその実物を拝見したかった。
それにしても、これだけ木の仏像が造られたのは日本だけらしい。会場入ってすぐの初期の像は中国の影響が多いようで細かい装飾が目を引く。そのような様式から徐々にシンプルな姿となっていく過程が見てとれる会場構成。ほとんど着彩されず白木のままで動きも少ない姿は、やはり日本の独特な様式という事なのだろう。神様の像なのに威圧感というものがあまり感じられないというのも、西洋の神を表した像とは随分と受ける印象が違う。

それにしても、初期の仏像たち(それも十一面観音ばかり)は始め見てちょっと驚いた。想像より実物は随分と小さかったからである。写真ではこれらの装飾的な姿は細工が細かいので、実寸が掴みにくかった。しかし、実物は小さい分、余計に密度が濃い感じ。50センチ足らずの像なのに凝縮感はすごい。
このような仏像を見てフト感じた事なのだが、細工の細かさや若干小さめな姿がどこか”フィギュア”っぽい印象を受けた。不届きな感想かもしれないが、多くの人々の哀願=愛玩という事か?
顔が裂けて中から観音像が・・という不思議な「宝誌和尚立像」はちょっと”エイリアン”に近いイメージだし、以前も東博の企画展で見た運慶作の四天王像などは「ガンダムっぽいなー。」と思った事もあった。多くの人を惹きつける姿には、どこか共通のイメージがあるのかしら?という興味深い印象も抱く事も出来て、またしても満足の東博観覧でした。