junkoの日記

アーティスト(写真・映像) www.junkotakahashi.com https://www.facebook.com/junko.takahashi.376/ https://www.instagram.com/juwakot/

北京リサーチ

今週、北京に到着。寒さを気にしていたが、真昼は25cくらいまで上昇する時もあり暑いくらい、しかし夜は冷えます。
到着早々、ロケハンがてら北京郊外をリサーチ。私の滞在している”草場地”という所は、北京郊外にあり高層ビルなどは見当たらず、昔ながらの集落も残っている地域です。ここは北京首都国際航港への高速道路の近くにあるためか、このあたり周辺一帯が再開発のために、以前あった建物を少し前から一斉に取り壊している。
その取り壊しているエリアの広さにも驚きですが、現場に行くとその大胆なやり方にも、かなり驚いてしまう。昔ながらの中国民家の集落が、ことごとく壊れている場所が延々と続く。今まであった建造物をなぎ倒すように、根こそぎ壊していくようです。こちらではレンガ造りの家が多いですが、鉄筋が入っていない建物も多く、壊すとなるとあっという間に瓦礫となってしまうのが、その残骸を見ただけでも想像できる。
その瓦礫の山が連なっている近くでは、またこれも大胆に周辺の光景とはかけ離れたモダンな高層マンションが、ポツリポツリと建ち始めている。
この地域の大通りにある商店や食堂などの店舗街も、今ではすっかりモヌケの殻状態。昼間でも人通りは少なくゴーストタウンのような様相。しかし、そんな寂れた空間の中にも人が集っていたりする場所もあるので、何をしているのかと覗いてみる。すると、やっぱり?麻雀を囲んでいるのであった。まだ日があるうちから、こんな所で麻雀に熱中しているとは、この人たちは一体如何なる暮らしをしているのやら。
この辺りから2kmくらい北京市街地寄りに行けば、高層マンションや大型ショッピングセンターやホテルが立ち並ぶエリアとなり、中心街へと高層ビルは続いていく。ほんのちょっとの距離しか離れていないのに、北京の表向きには喧噪にあふれたイメージとは全く違う世界がここに広がっている。が、いずれこの場所も見違えるように賑やかで近代的なエリアになっていくのかしら。
リサーチをしながら、そろそろ撮影エリアを決めていく事になるでしょう。


それにしても、今回の北京渡航の直前に起こった日中政府間での摩擦や、マスコミの報道振りには、私も日本にいる時にはさすがにちょっと心配になり、事前に現地の関係者に聞いてみたりした。しかし、とりあえず問題無さそうな様子なので、あまり気にせずに渡航してきた。
実際、現地では全くと言っていいくらい影響なし。7月に来た時と変わらない様子で、気にするほうがおかしいくらいだ。草場地村の食堂に一人でご飯を食べに行ったり買い物しても全然問題なし。撮影のためにカメラやヴィデオ撮影をしていても、特に神経質になるほどではないし、撮影していると興味深げに話かけてきたりする。
それに、もともと国籍関係なく仕事を通して関係してきた間柄の人達にとっては(特に文化交流の分野では)、政府間同士のやりとりを見ていると全くナンセンスに見えてしまう。そのイザコザを毎日、事あるごとに報道しているマスコミにも、いささか大げさな感じがしてしまう。さらに、それらの報道を真に受けて日本側からの民間レベル交流を中止してしまう人達も今だにいるみたいだが、何のための民間交流なんだか。。。
今日ちょうど、ノーベル平和賞に中国活動家の劉暁波氏が受賞したというニュースが入ってきたが、中国では全く報道されていないらしい。このように強圧的な中国政府と、個人的に接する中国一般の人達との対応の落差を体験できたのは、この騒動の時期に中国に来た甲斐があった?という事だろうか。