junkoの日記

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迫力圧巻の展示

毎日、外出でロケハンや撮影の日々が続く。ようやくロケ場所としてうってつけの所を見つける。郊外の取り壊し場所をずっと徘徊していたが、ほとんどのエリアはかなり撤去が進行しており、更地になっていてほとんど建物も残っていない状態だが、まだ比較的昔の集落が残っているエリアを見つけた。
偶然出会った住民の人とちょっとしたやりとりをする。気が良さそうなおじさんだったので、こちらの自己紹介のような事をして、後日連絡を取れるようにする。私は中国語がほとんど出来ないので、電子辞書を介してどうにかやりとりをする。勘のいい人でこちらの意向もなんとなく理解してくれたようだ。
これで後日、通訳の人を通して色々セッティングができるようになればいいのだが。不案内な場所でどこまで展開できるやら。。



さて、ずっと人気(ひとけ)の無い所ばかり徘徊していたため、やはり気分転換のつもりで全く違う場所へ出歩きたくなった。そこで、行きたかったユーレンス現代芸術センターを観覧するため、798芸術区へ。
7月に北京に来た時は、UCCAは展示換えで入れなかったが、その時入り口にあった、灰で造られたという巨大なオヴジェが気になっていた。张洹(ザンファン)の展覧会だった。まだ会期中だったので、早速覗いてみる。
张洹といえば、1990年代中国現代アートシーンで、過激な前衛パフォーマンスを行い一躍有名になった作家と認識していたが、現在は大掛かりなインスタレーション作家として、世界的アーティストと認知されている。(三影堂のロンロンさんは、张洹のパフォーマンスの記録を作品として撮影している。)
今回の展示も、入り口にあるオヴジェも圧倒的(お寺の線香の灰を集めて固めたらしい。)だが、ギャラリー内での展示を見て、これまた驚く。タイトルは「HOPE TUNNEL」。2008年四川大地震の時、その被害に遭った列車やその他の残骸などを、そのまま展示室に持ち込んだというもの。車両全体が歪んで奇妙な鉄の固まりとなっている、その物量感が圧倒的。そして入場料は、地震被害へのチャリティへ回るらしい。このような大胆な発想は、日本人だとなかなかできない感じがする。さすが大陸的な感性、という力技である。