junkoの日記

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開幕、加えてアクシデント?

昨日13日から、高橋ジュンコ個展「LOST WORLD」が三影堂撮影芸術中心で開幕しました。今月の27日(土)までの会期です。


しかし、いきなりちょっとビックリな出来事が。。朝、会場を覗きに行くと英里さんが「今、公安が来ていて、作品の内容をチェックしている。」と言われたのです。題材が取り壊しについての件なので、当局批判の対象になっていないか、確認に来たというのです。現在、中国当局は体制批判に繋がりかねない事は、くまなく監視しているようです。特に、アーティストが集まるレクチャーやオープニングパーティーなどは、デモなどが行われるのではないかと、当局も神経質になっているらしい。しかし三影堂側は、このような事は毎度の出来事らしく、スタッフもあまり慌てている様子もありません。そして三影堂からは、今日一日、会場で公安の人がいるらしいが、特に政治的な発言をしないでいれば、特に気にする事もないだろう言われました。


オープニングではレクチャーが行われて、ゲストに竹内万里子さん(写真評論家、キューレーター)を日本からお招きしてトークをお願いしています。トークの内容については、事前に公安の件も伝えて、私との対談では政治的な方向へ話しを持っていかず、作家として個人的な体験談や作品の制作行程などに終始するようにしました。私も、撮影したエリアには、まず個人的な好奇心から入り込んでしまった経緯があるため、毛頭当局批判などするつもりもありませんでした。
また、今回のトークでは東日本大震災が起った以降、被災地で行った写真家たちの様々な活動から、竹内さんがリサーチしたものを紹介しました。「復興の狼煙」ポスタープロジェクトROLLS TOHOKU写真でつながるプロジェクト : 写真・アルバムに関するご質問と対処法のご案内 | 富士フイルムTohoku Tour この震災であらためて写真という媒体の多様な重要性(ニュースでもたびたび取り上げられた、家族写真やアルバムとその持ち主との関係性)も指摘されました。加えて、写真家の志賀理江子さんの活動も紹介しました。彼女は仙台に住んでいましたが、津波に襲われ家財や彼女の写真作品も流されてしまいました。その彼女が現在かかわっているのが、地元で見つかった写真を見つけ出し洗い、そこで公開しているのです。
会場である三影堂の図書館もほぼ埋まっている入りで、皆さん熱心に聞いてくれて、時間も予定の1時間半から2時間近くの延長となり、なかなか充実したレクチャーでした。


トークの後は、レセプションという流れに。これまで北京での制作で出会った人達が何人か来てくれて、久し振りの再会となり嬉しい出会いも。公安の人も最後までいたらしいですが、特に問題は無かったようです。私が外国人なので、それほど厳しいチェックもなかったのか。リアルな中国体験の一端を体験してしまいましたが、つつがなく初日は終わった次第です。


会場を後にして、夕食会。 英里さん、栄栄さん。


竹内さんと。 お疲れ様でした。