junkoの日記

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北京、色々訪問する。

展覧会も開幕、一段落して先日、北京の各所を訪ねてみた。去年から数回北京に来ていたが、制作中は忙しかったり精神的に余裕も無かったり、加えて草場地は中心街から離れていたせいもあり、有名スポットへはあまり訪れていなかった。(さすがに故宮天安門は去年行ってはみたが。)


しばらく北京にも来れるかどうか分からないので、観光スポットにも行ってみようと向かったのは、定番の鼓楼、鐘楼、雍和宮、孔廟、国子監など。
中心街の北側に位置する、昔からの街並み胡同が残っている場所。その昔、見張り台でもあったという鼓楼、鐘楼へ。

登った所から見る光景からは、近くに高いビルなどは全く見当らない。この日は雨模様で少々視界も利かず、かえって朦朧とした景色に、古の北京の街並みを彷彿させる光景が見渡せた。(しかし所々の胡同エリアでは、ある場所だけゴッソリと何も無くなっている土地があったりする。)ほんの数キロ離れた南側の建国門あたりは高層ビルの建設ラッシュ、こことは別世界なのだ。
雍和宮、孔廟など寺院や建造物の装飾などを見ると、昔からの様々な宗教文化の積み重ねが、色々影響を与えているのも見えてくる。この狭いエリアに、チベット仏教イスラム教や孔子を奉った廟もあったりする。見た目は、日本の神社仏閣の比べるとかなり過剰な装飾だが、それはこれら色々な文化の積み重ねからくる過剰さからくるものかと思ったりもする。

さらに雍和宮の巨大な菩薩立像には驚いた。(地上18M。一本木の仏像としてギネス登録されているとの事。)伽藍の中にあるので、まさか街中にあれだけ大きな立像が鎮座しているとは思わなかった。敷地内にある博物館には、小さいながらも見応えのある仏像や仏具があり、故宮のよりも興味深かった。やはり皇帝の贅沢品より、宗教文物のほうが深みがある?
近くの孔廟国子監のあたりの街並みは、土産物屋が連なる雍和宮大街通りの喧騒とはまるで違うエリア。通りから横道へ入った瞬間、街路樹も鬱蒼とした参道。その通りになぜか一軒洋風カフェがあったので一休み。賑やかな土産物店も間近で営業させていなかったり、ひと昔前の北京の街並みの雰囲気を残しているようで落ち着いた場所だ。



それから中心街から少し離れた場所にある、広大な庭園の頤和園へも。西太后お気に入りの庭園としても有名。

ここの広さや点在する建築物の色々な意匠を見るにつけ、以前見た故宮の内部の巨大な空間構成から感じた印象に、ちょっと近いものを感じたりした。
絶対権力者の作り出した誇大な理想空間に入り込んでしまった時、日常的な瑣末さを忘れてしまうほど、外の世界が見えない独立した空間になっている印象である。
特に頤和園の広々とした昆明湖は、昔からよく詩画の題材にされる杭州の西湖を模して、さらに北京郊外の山々を借景に、広大で理想的な風景を作り出すよう設計されている。

ちょうど夕暮れ時がきれいだったので長居をしてしまい、薄暗くなってから街灯も無い林道のようなエリアを廻っていた時、あまりの広さに人の姿も見えなくなり、このエリアが街中にあるというのを一瞬忘れる感覚になったりもした。


観光案内のようになってしまったが、こういうスポットに行くと以外にその国の国民性が見えてきたりするので、定番の観光地も結構興味深いものである。
ちょうど夏休みなので、中国全土からも観光客が集まってきて、どこも賑やかこのうえない。