junkoの日記

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撮影続行中。

ロケ地の村では、どうも私達の事が噂になっているらしい。普段は人気も無く、見知らぬ人と言えば取り壊しの作業をしている人達ぐらいの所に、何かカメラなど機材をかかえてウロついているグループがいたら、目立つのも当たり前。
そして、私達が住民達から色々と聞き出しているらしい、と思われていたらかなり不審がるのも無理はないでしょう。撮影中も色んな意味でこちらに興味を持たれているのが、雰囲気として感じられる。たまに、「あなた達は何の目的があって、ここで話を聞いているのか。」と少々詰問気味に尋ねてくる人もいる。


このエアポケットのような、北京の街の賑わいから取り残されたような場所に、ライフラインを止められているにもかかわらず、住み続けている人達は、理由があって残っている人が多い。こちらの質問には、なかなか本心などを語れるような立場ではない人もいたりする。
最初はガードが固い人も多いけれど、こちらから「私はアーティストであって記者では無い。」と一生懸命説明すると、やりとりをしているうちに大抵和やかな雰囲気となり、撮影もスムーズに行えたりする。さらに何回か通っているうちに、だんだん住民達と顔見知りになる人もあり、その人達が私達の事を説明して、協力者を増やしていってくれたりする。同行している中国人の通訳者の仲介も、お互いの距離を近くするいい効果になっているよう。


不満を抱えている人達は多くいるであろうが、それをなかなか外側に出せずいる人達がほとんどであることは、こちらもなんとなく事情がわかってきた。お国の政策について、本音を軽々しく他国の人にしゃべる事など、なかなか出来ない事情も見えてくる。
しかし、たまに勢い余って、自分達の境遇をぶちまけるように、こちらへ延々としゃべりまくる人もいる。開きなおっているのか、意外にすぐポーズをとる人もいる。おかげで彼らの色々な立場の違いも見えてきて、ますます興味深く観察できるようになる。
さらには、現在おかれている環境は惨憺たる状況かもしれないが、中にはしたたかに土地所有権を主張して、土地売買金をつり上げるために残っている人もいるようだし。そのような人の中で広い土地を持っている人は、意外な大金を今後手に入れられるかもしれない。具体的な金額を教えてくれた人もいたが、もちろんオフレコにしてくれ、と言われた。
置かれた状況から、どう切り抜けて生きて行くのか、人それぞれだなーと改めて感じてしまう。