junkoの日記

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チャリティ活動の効能。

震災以降、節電や自粛など影響のため、各所で通常の活動が中々できない状況が続行中。アートなどの分野も世の中が緊急事態になった時、世間的には不要不急の分野では無いと考えられがち。色々と活動の変更や中止のお知らせが目につきます。
今回の震災では、直後から様々な所から義捐活動やチャリティのお知らせメールが、直接・間接的問わず沢山送られてきます。被害の規模が桁外れなので、皆落ち着いていられない状況になってしまったのか。
当初そのようなお知らせが届く中、「この行動は主催者側のアピールが強いのでは?」と疑問に感じてしまう事も少々。けれど、日に日に被害規模の大きさが報道されていくうち、そのような義捐活動についての考えは多少変化していきました。今回の件は、あまりにも人手や資金が大量に必要なのだと認識させられ、そうであれば今度ばかりは”行動したい人””行動できる人”からドンドン活動してもらっていいのでは、と思った次第。もし無駄な活動でれば、非難されるか自然消滅していくでしょうし。


音楽などの芸能活動は、現在盛んにチャリティを兼ねた活動が内外問わず行われていますが、表現としては判り易く、癒しや励ましや連帯などの即効性が感じられる故か、このような活動は大いに盛り上がっています。
さすがに今回ばかりは他人事のような冷静な振りができない、と思う人も多いのでしょう。アート界の人々も色々動き出しているようです。芸能界のように世間的に大きな効果がすぐに見込まれなくても、彼らの出来るやり方で自ら企画していかないといけないという認識もあるように思われます。震災復興が遅れて経済的なダメージが大きくなると、”不要不急で無い”と思わがちなアートの分野が縮小される恐れもあるからです。
過去にも、2001年の9.11では、事件以降ニューヨークのアートマーケットはしばらく相当に冷え込み、2008年の世界同時不況でも、日本も文化的な予算が色々な場所で削られるはめに。世の中の経済動向にかなり左右されるのは身にしみています。なので、チャリティのような活動は震災への支援ももちろんですが、アート界自らの存続に繋がる行動にも思えます。


それにしても、今回は国内外いろんな所からの支援の多さに驚きます。海外報道を見ると、震災直後には日本の記事ばかりで埋まっていましたが、近頃の話題はすっかりリビヤや中東の紛争がほとんどとなっています。その間に、日本の原発事故の進展がたまに報道されているくらい。なのに、未だ海外のチャリティ活動はまだ盛んに行われています。
しかし世界中の色んな話題が変貌していく中、戦争やら紛争などのいやなニュースは絶え間無く耳に入る。日本へ震災支援してくれた国々も、一方ではその紛争を鎮圧するという名目で参戦していく。なんとも複雑な心境になってしまう。
もしかしたら、なんだかこのような矛盾したような世の中の空気を、日本への支援活動を続ける事で、浄化させていくような気分にでもなるのか、とも思われる動きである。「Pray for Japan」の掛け声のもと、人々は悪意で分断させられるのではなく、善意で繋がっていくのだと再確認するために、義捐活動を行っているかのようにも見えてきます。


あと、色んなニュースが日々飛び込んでくるが、またしてもちょっとびっくりした報道が。アイ・ウェイウェイ艾未未)氏が北京で拘束されたとのニュースである。彼は中国政府を批判し続けている活動家でもあるが、拘束するという事はいよいよ当局も、最近の中東の民主化紛争以来、民意を相当気にしているのが判る出来事。
彼のスタジオがある草場地芸術区は、私も北京で滞在していた場所。周辺も彼がデザインしたギャラリーなどが沢山ある。報道では、その草場地のスタジオも、警察が家宅捜索のため一時差し押さえたらしい。彼が何の容疑で今どこに拘束されているのか、なども全然情報が入ってきていない様子。今後の経過が本当に気になります。
アメリカ政府も釈放させるよう声明を出していますし、現在彼の展覧会を開催しているロンドンのテートモダーンもコメントを出してますね。
The Unilever Series: Ai Weiwei