junkoの日記

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本年における事象。 断片、その1。

東日本大震災後の写真家達の行動の選択は、興味深い現象でした。
報道カメラマンであれば、仕事として出向くため躊躇を感じる必要はあまりないかもしれません。
もし戦場であれば、自ずとそのような現場に慣れた人達が行くでしょう。
しかし、震災後の現場はそれほど危険の真っ只中ではないように思われる分(私も全く行った事が無いので実際はわかりませんが)、行こうと思えば行けてしまう場所に感じられ、かえってそこへ行く必然性を、今回の震災現場では強く考えさせる場に思えました。
それはあまりにも人命や破壊などの損失が大きいためです。そこへ行き撮影する動機を慎重に考えてしまうのは、当たり前な良心の反応だと思います。


「作品」を撮る事が、写真家の「仕事」であるとしても、出向いて撮影して「作品」として提示するには、個人的に強い理由付けがある写真家でしかできない事でしょう。現場への配慮も各人の器量が見えてきます。


反対に、震災地へはあえて行かない写真家もいます。「アンチ」とは違う心情が「行かない理由」にあるのかちょっと気になります。
そうして見渡していると、行く人・行かない人のキャラクターがそれぞれ見えてくるでしょうか。


それにしても、各写真家それぞれ違う動機でしょうが、なぜ写真家がこのような行動を取るのか(アーティストにはこのような行動は目立っていないようなので)興味が湧きます。
その時代が遭遇した大きな出来事の現場に居たい、見てみたい、というシンプルで強い動機(好奇心?)に動かされる人が、写真家になるのか?
かく謂う私も、来年は現場へ出向く可能性があるのか思案中です。